ニコン AM テクノロジーセンター:アディティブ・マニュファクチャリングの未来を切り拓く日本の新たな力
日本の高度なエンジニアリングが最新の金属 AM 技術と融合すると、どのような革新が生まれるのでしょうか。
その答えは、埼玉にあるニコン AM テクノロジーセンター [ Nikon AM Technology Center ] にあります。ここでは、産業用 3D プリンティングの未来を形づくる高精度技術が着実に進化しています。
今回の訪問では、AM 業界が抱える二つの重要課題──インプロセス・モニタリングと造形ダイナミクスのリアルタイム制御──に対し、ニコンがどのように取り組んでいるかをご紹介いただきました。
ニコンはセンシング、光学、メトロロジー、制御技術の強みを活かし、次世代 AM 装置の開発と産業化に向けた確かな位置づけを示しています。
代表例として、3D スキャンから金属堆積による補修までをシームレスに統合した Lasermeister(レーザーマイスター)DED 補修システムが挙げられます。
さらに、ニコンの取り組みは装置開発にとどまりません。
Nikon SLM Solutions は ASTM AM CoE が主導する CMDS(Consortia for Materials Data and Standardization)に参加しており、AM 材料データの標準化と産業化を推進する国際活動に貢献しています。
また、2025 年の **ASTM AM CoE ICAM(ラスベガス)**では、複数の事業部から研究者が登壇し、メトロロジー、センシング、プロセス制御に関する最新成果を発表しました。
今回のツアーでは、以下の装置デモが行われました:
- 最大 600 x 600 x 600mmの大型造形が可能な NXG XII 600(金属 L-PBF)
- LM300A(DED) と SB100(3D スキャナ) による自動補修ワークフロー
これらのデモは、ニコンが精密工学と製造現場の実用性をいかに融合しているかを示すものでした。
ハイブリッド AM の実例
ツアーでは、ハイブリッド造形の優位性を示すデモパーツも展示されていました。
ハイブリッド造形: 基部の精密形状は L-PBF により造形し、上部の背の高い薄肉構造は DED により高速造形。
異なる形状要件を持つコンポーネントに対し、造形効率・安定性・コストの最適化を実現する好例です。
*写真キャプション – ハイブリッド AM 部品
*写真キャプション – ニコンの皆様
左から (ニコン AM テクノロジーセンター見学時に撮影):
- 鳴嶋 弘明 氏、堀 健太郎 氏(アドバンストマニュファクチャリング事業部)
- エノラ・ロジャース(Wohlers Associates powered by ASTM)
- 藤原 友治 氏(アドバンストマニュファクチャリング事業部)
ニコンは、先進的な AM 装置開発と国際標準づくりの両面で重要な役割を果たし、日本および世界の AM 産業化を力強く前進させています。
今後のさらなる発展を心から楽しみにしています。
詳細はこちら:
ASTM AM CoE Japan Activity Hub
*エノラ・ロジャース氏は日本の CIC Tokyoを拠点として活動しています。

